
ゴルファー
スイングで伸びあがってスライスしてしまう。
前傾姿勢がキープできない。
こんな悩みをもっているゴルファーに答えます。
✅ 本記事の内容
- 前傾姿勢の重要性
- 前傾姿勢をキープできない原因
- 前傾姿勢をキープして打つドリル
本記事を書いている僕は野球歴25年。ゴルフ歴は6年。ベスト81です。
スイング中前傾姿勢がキープできていないと、ダフりやトップのミスが多発します。
しかし、“キープ”という言葉に引きずられてしまって、ゴルフで大切な身体(腰)の回転を忘れてしまう方も少なくありません。
「前傾姿勢のキープ」、「身体(腰)の回転」、どちらも重要なキーワードです。
どうしたら両立できるのか解説していきます。
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ゴルフは姿勢が命?
ゴルフでは、打つ方向を決めたらアドレスに入り、そしてスイングしてボールを打ちます。
良いスイングのためには、良い姿勢で構えることが大切です。まずは構える際の姿勢について、基本的なポイントをみていきましょう。
ゴルフの基本姿勢は、前傾
ゴルフで打つ前に構えることをアドレスといいます。
アドレスにおいて、クラブのフェースをボールの位置に合わせたとき、自然に構えられる姿勢が基本です。いろいろ試してみるとわかりますが、自然に構えられるのは前傾姿勢ではないでしょうか。前屈みにならないと、腕や手首で無理やり位置を合わせるような不自然なアドレスになっているはずです。
ゴルフは「地面にあるボールを打つ競技」なので、野球とは違い上半身が前に傾くことは、ある意味あたりまえですね。
綺麗な姿勢がナイスショットにつながる
綺麗な姿勢(前傾姿勢)でアドレスが決まっていることが、ナイスショットの最低条件です。しかし、「上半身を○度に傾けなくてはならない」のような綺麗な姿勢の定義なく、曖昧といえます。なぜなら、身長や腕の長さ、それに体形も個人差があるため、人によって構え方が違うからです。
「スイングの90%はアドレスで決まる」と言う上級者は少なくありません。つまり、ナイスショットを高確率で生むためには、綺麗な姿勢(アドレス)が重要であるということ。スイングの理論も大切ですが、その準備段階にあたる姿勢もおろそかにしないほうがよいでしょう。
ゴルフの姿勢はクラブによって異なる?
ゴルフではさまざまなクラブを使ってショットします。ドライバーのように長いクラブもあれば、サンドウェッジのように短いクラブもあります。ではクラブごとに姿勢は変わるのでしょうか。
答えは「前傾姿勢という基本は変わらないが、その角度は変わる」となります。考えてみれば、長さの違うクラブを同じ前傾角では打つのは困難です。クラブが長くなるほど前傾姿勢は浅く構え、短くなるほど前傾姿勢を深くして構えます。
もし番手によってショットにばらつきがあるなら、前傾姿勢が合っていない可能性も考えられます。
深すぎる前傾はフックの原因
クラブと背中のラインとが直角になるのが理想の前傾角度です。これよりも深く前傾したり、背中が丸まったりしてしまうとフックのミス、つまり左へのミスが出やすくなってしまいます。
前傾角度が深くなるとスイング軌道はフラットになり、さらにインサイドアウトになりやすいです。
そうするとフックのミスが出てしまいます。また、フックのほかダフリが出たり、肩の回転が阻害されることによる飛距離低下にも繋がる可能性があります。
このようなミスでお悩みの方は、前傾姿勢が深すぎてはいないか確認してみることをおすすめします。なお、前傾姿勢を確認する際には後方からチェックしてもらったり、あるいはスマホなどを置いて撮影してチェックするのがよいでしょう。
棒立ちアドレスはスライスの原因
逆に前傾が浅く、棒立ちのような状態だとスライスの原因となります。スタンス幅が広かったり、背筋を伸ばすことを意識しすぎている人、力んでしまっている人はこのような状態になりやすいです。
前傾角度が浅いとスイング軌道はアップライトになり、アウトサイドインになりやすくなります。そうするとスライス、つまり右へのミスが出やすくなってしまうので、注意が必要です。また、インパクトゾーンが短くなるためボールを芯でとらえるのが難しくなります。
ご自身の前傾が浅すぎないか、今一度確認してみることをおすすめします。
スイングを作るためには?
前傾姿勢をキープする前に、まず腰を中心としたレベルスイング(腰の傾きに対して水平な)を意識しましょう。
胸の前で両腕が交差するように左右の手のひらで反対の二の腕を押さえ、アドレスを取る要領で少し前傾します。
この時、ひざを曲げて猫背になって前傾するのではなく、ベルトで囲まれた面を仮想し、その面を前方に傾けるように、骨盤から前傾して胸を張るようにしてください。
首の後ろから尾てい骨を貫くように、1本の軸が刺さっているようなイメージです。
上体はそのままに左肩をしっかりとあごの下まで回転させましょう(上の写真)。
今度は右肩をあごの下までゆっくりと回転しながら差し替えていきます。
この動きが大切なコツになります。
どこにも大きな力が掛かっていないことがわかるでしょう。
力を入れるところなどどこにもない!?
前傾姿勢をキープしたまま腰を回転させることに慣れてきたら、今度は前傾したまま身体の正面で両腕を伸ばして手のひらを合わせ、そこからテークバックするように腰を右に回したら右ひじを曲げて、インパクトで伸ばし、フィニッシュでは左ひじを折り曲げてみましょう。
ここまで来ると、ずい分とゴルフスイングらしくなってきます。
力がまったく必要ないことや、腕を振る感覚もないでしょう。
スイングを作る上でのファーストステップとしては、この動きを身体が理解することが大切です。
前傾をすることで体の軸が傾きますが、その傾きに対して腰が水平に回転するのがゴルフスイングなのです。
前傾姿勢をキープしてとだけ伝えると、ほとんどの初心者は身体の動き、腰の回転が止まってしまって、腕を振ってしまうのです。
正しくスイングすると、腕はほとんど使わずに、常に胸の正面に手があるような感覚になります。
前傾姿勢キープで正しいスイングづくりを
初心者ゴルファーが早い段階でボールを打って練習するのはオススメしません。
身体の動きが理解できない内にボールを打ってしまうと、スイングを崩してしまうからです。
ファーストステップでも行いましたが、正しくスイングすれば構えたところにしかクラブは戻って来ません。
ほとんど機械的に振り抜く場所にボールはあるのです。
なのに初心者ゴルファーは腕でボールに合わせるような動きをスイング中に加えてしまいます。
これがクセになると、ずっと微調整することになるので、いつまでもスイングが安定しないのです。
ゴルフスイングで前傾がキープできない原因
前傾角度をキープしなければならない理由を理解できましたら、次は原因です。
前傾がキープできない原因は主にこの4つです。
- ボールを自分で上げにいく
- 腕だけでクラブを振る
- 右肩が突っ込む
- インサイドから下ろそうと意識し過ぎる
これらの動きをしてしまうことで、前傾角度が崩れてしまいます。
ボールを自分で上げにいく
1つめは「ボールで自分で上げようとしている」です。
このような方はクラブを上に向かって振っている場合が多いです。
このスイングになってしまいますと、ボールを上げようとしたときに体も一緒に起き上がり、前傾が崩れてしまいます。
腕だけでクラブを振る
ダウンスイングで腕だけでクラブを振っていると前傾がキープできません。
腕力でクラブを下ろしてくると、その反動で体が起き上がってしまいます。
腕力だけでは飛距離を出すことは難しいです。ダウンスイングでは体の動きに自然と腕がついてくるようなスイングが求められます。
右肩が突っ込む
ボールを叩こうする意識が強すぎて、このような右肩が突っ込むスイングになってしまう方もいます。
これも正しい前傾角度キープできない動きになってしまうので、注意が必要です。
「意識して打ちにいく」のではなく、「体が回ってきた結果、ボールを捉えることができる」のが正しいスイングです。
インサイドから下ろそうとし過ぎる
クラブをインサイドから下ろそうとし過ぎるのも、体が起き上がってしまう原因の1つです。
レッスンをしていても、このような方はけっこういらっしゃいます。
体の回転に合わせてクラブを下ろしてくると、自然なカタチでインサイドアウトになります。
起き上がりを防止する練習ドリル
そこで体の起き上がりを防ぐ2つの練習ドリルを紹介します。
クロスハンドドリル
実はさきほどの「前傾キープできない4つの原因」には、ある共通する問題点があります。
クロスハンドドリルはその共通する問題点を解決する練習ドリルになっていますので、ぜひ参考にしてください。
✅ 半強制的に前傾をキープさせるクロスハンドドリル
共通する問題点とは「右手の動きが強すぎる」ことです。
前傾姿勢をキープできなくとも右手で調整してボールに当てることができるので、正しい前傾姿勢ができているのかをわかりずらくします。
この右手の動きを制御して、起き上がりを防ぐ練習ドリルが「クロスハンドドリル」です。
✅ クロスハンドドリルのやり方
このように通常とは手の位置を逆にしてクラブを握ります。
あとはこの握り方で素振りをしたり、実際にボールを打つだけです。
クロスハンドでスイングすることで「右手を使っているか」「前傾がキープできているか」が判断できます。
クロスハンドドリルのメリット
1.右手でボールを当てにいく動きを防ぐことができる
2.右手を制限することによって、体の動きに腕の動きがついてくる感覚を掴むことができる
3.体が起き上がると空振りをするので、前傾キープできているか判断しやすい
クロスハンドで空振りした場合、あなたは「前傾をキープできていない」「右手を使ってインパクトしている」ことがわかります。
もしくはクロスハンドでしっかりボールを打つ(または素振りでクラグが地面に届く)ことができたら、それは前傾キープできている証明になります。
この練習を繰り返すことでクロスハンドドリルは、体が起き上がらずにスイングする感覚を半強制的に覚えることができます。
自分が前傾姿勢をキープできているのかを確認する意味でも、ぜひお試しください。
この練習ドリルを実践すると、きっと「いつもよりも体をひねっている」と感じるのではないでしょうか。
前傾をキープする練習ドリルの成果と注意点
クロスハンドドリルで前傾をキープする感覚を掴んだ結果、通常グリップに戻ってスイングするとダフる方も多いです。
それは右手の制限がなくなり、従来までのカタチで右手を使ってしまうからです。
今までは前傾が崩れて体が起き上がっても、右手で調整して打つことができました。
起き上がりを修正するために、クロスハンドドリルで「前傾をキープする」感覚を身につけると、
通常のスイングをする際に今までの感覚で右手を使ってしまい、かなり手前でダフってしまう方がかなり多いです。
悲観する必要はまったくありません。前傾がキープできている証拠です。
通常のグリップでも右手の動きを抑えてスイングできるよう、クロスハンドと通常グリップで繰り返し練習して、徐々に身につけていくことが大切です。ゴルフスイングは一朝一夕では変わりません。
前傾キープを意識しすぎて振り抜けられない
ダウンスイングで前傾角度を保つことを意識しすぎて、起こってしまう弊害についても説明します。
起き上がりを防止に意識を集中すると、このようにうまく振り抜けなかったり、飛距離が落ちてしまう可能性もあります。
前傾角度をキープしながら、しっかりと振り抜くことも必要です。
振り抜くことを意識しても改善できない方は、このような練習がオススメです。
スイングしたあとフォロー側で止まってしまってもOKです。ただしその後に、必ずフィニッシュまで振り切る動作をしてください。
この動きを繰り返していただくと、徐々に最後まで一気に振り抜けるようになります。
まとめ:前傾姿勢をキープしたまま打つコツと練習ドリル
理想的な前傾姿勢を身に付けることは、ミスショットを軽減し、スコア向上につながります。しかし、それだけではありません。
見た目にも美しいスイングになりますし、前傾姿勢を維持できるようになれば、憧れのプロのスイングに近付くということです!
クロスハンドドリルの練習をはじめると、最初は難しいと感じるかもしれませんが、体が起き上がってしまうことにお悩みの方はぜひ実践してみてください。
ゴルフで自分に合った姿勢を見つけたい方にはゴルフスクールがおすすめ
ゴルフのスイングは、たくさんの要素が絡み合ってできあがるもので、前傾姿勢をキープしながらスイングすることも、一部の要素です。プロでもない限り、何か気になる点を直そうとすると、また別の悪癖が気になりだしたりするもので、これが我流の限界なのかもしれません。
そんな時は、深みにハマる前にゴルフスクールで、自分に合った姿勢を身につけることがおすすめです。
自分ではマッチしているつもりだった姿勢やアドレスも、レッスンのプロから見たら見当違いだった…というのはよくあることです。正しい知識のある第三者の力を有効活用して、自分に合った前傾姿勢を見つけましょう。
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